走馬灯かよ。

30代既婚子なし女が過去を振り返ったり日々思うことなど。

人の悪意に負けた話。

昨年、半年だけパート勤務していたお店での話。

 

海外ブランドの子供服の店で、国際結婚夫婦(旦那さんヨーロッパ・奥さん日本)が代表を務めていた。旦那さんは日本語が喋れるっちゃ喋れるが、カタコトのためほぼ英語がメイン。そのせいか5人いるスタッフの内、2名は英語が喋れる人を揃えていた。私は英語が苦手(英語の授業中にどうぶつの森で遊んでいたドクズ)なので、旦那さんと喋る時はお互いにルー大柴のような会話を繰り広げていた。良い経験だった。

 

お店にいるのは私たち日本人スタッフだけなのに、レジやパソコンなどの店の設備は全て英語表記。旦那さんが来た時にわかりやすいようにとのことなんだが、彼が来るのは週に一回あるかないか。なぜ彼に合わせる必要があるのだと、スタッフ間でぶつくさ言っていたものだった。

更には旦那さんの日本人ディスリともとれる発言が気になることも。「日本人は黒ばっか着ておかしい」だの「足まで覆われたカバーオールの方が便利なのに日本人は嫌がるのが意味わかんない」だの「日本人はセールにならないと買わない」だの、控えめに言って「じゃあ国へ帰れ」と張り倒したくなるようなじわじわ発言をよく聞いた。そして商売の仕方も雑で、日本では長くやっていけないだろうなと感じた。

 

さて、そこで一緒に働いていたとある女性。

私と同い年のその彼女は国際結婚をし、幼い子を育てていた。

やはり彼女の旦那さんもヨーロッパ人で、休みの日は意味もなく旦那さんや子どもを連れて店にやってきた。僻みと捉えられるとは思うが、どう考えても「見せびらかし」のそれだった。

思えば普段の会話からも彼女への苦手意識を募らせていた私。きっとこの人は自分が主役でなければならないのだろうな、と感じられる場面に多く出くわした。誰かのアイディアがいつの間にか彼女発信になっていたことなどザラにあった。ただ彼女の凄いところは、まったく悪気がなく、本能でやっているところだった。つまり、余計にタチが悪い。でもね、こういうのって昔から思っているんだが、悪気がなくても悪意はあるんだよ。

 

そして子どもの年齢や国際結婚の境遇などが似ているからか、代表夫婦は彼女を特別扱いしていた。他のスタッフもざわついたぐらいなので私の気のせいではない。

いつからか彼女がシフトを作るようになり、幼子を抱える私が一番大変!と言わんばかりに自分にとって都合の良い感じにしていた。自分で作った都合の良いシフトのはずなのに、「暇そうなので空気読んで帰りますね~」と当たり前のように帰るし、F1が見たいからと勝手に出勤時間をずらしたこともあった。

トドメには、結婚式の準備が終わらないからと急に休んだり帰ったりを繰り返していた。

 

そうした行動に対し、代表夫婦は何も言わなかった。(気づいていなかったのかもしれない)

それどころか、彼女の結婚式当日にグループLINEで彼女へのお祝いメッセージと、結婚祝い(店の商品券1万円分)の贈り物までしていた。(ちなみに彼女が結婚したのは数年前で、あくまでも式だけを挙げたというだけ。つまりどちらかというと結婚して間もないのは私のほう)

彼女の穴埋めをしていた私たちスタッフには何の労いの言葉もなかった。彼女からも、代表夫婦からも。

 

今まで多くの子持ち主婦さんと仕事してきたが、ここまで「子ども理由でない都合欠」を堂々とする人は初めてで、この店 大丈夫かと心配になった。むしろ彼女は子ども理由で休んだりしたことがない。唯一、保育園から熱があると店に電話が掛かってきたとき、彼女はそもそも出勤などしていなかった。

 

どうしても土日の人員が足りない時、平日勤務の契約だった私ともう一人の主婦さんは土日も出勤せざるを得なかった。しかし彼女だけはこう言って拒否した。「土日は旦那が休みだから子ども見させないでゆっくりさせてあげたいしな~」。

いやいや、おまえら二人の子じゃないんか?

いま思い出しても彼女のこの発言は謎である。

 

そんな彼女と代表夫婦に嫌気がさして半年で仕事を辞めるに至ったのだが、一番つらかったのはこの人たちの「子持ちマウント」だった。陣痛の時間とか、妊娠中のあれこれとか、育児中のそれとか。知らんって。経験してないんだから。

 

以下はマウントではないが、ずっと心に(悪い意味で)残っている言葉たち。

代表の旦那さんと社員割引の話になったとき、「(同い年の彼女)は子どもいるからいいけど~…」と言われてモヤモヤした。

同い年の彼女に「ユキミさんは保育士さんだったから、プライベートでは子どもいらないのかと思ってた~!」と言われて殺意が芽生えた。

20代前半スタッフ(彼女と仲が良い)に「子ども産まないんですか?」と聞かれたので「そうですねー…」と言葉を濁すと「いやどっちだよ(笑)」と返されて若さゆえの愚かさに引いた。

書き残すのが億劫だからこれ以上はあえて列挙しないが、あの「悪気はないけど悪意はある」言葉の数々に、気が付くと夜中泣くことが増えていた。だから辞めた。

子どもが欲しい人間にとってはどんな些細な言葉でも地雷になる。彼らを反面教師にしようと改めて思った。

(そもそも職場っていろんな人がいるから子ども連れて行ったりプライベートな詮索しないって私は教わったんだけど…)

 

この職場が原因で、私は日本人女性と欧米人男性の国際結婚夫婦に偏見を持ってしまっている。もちろん世の中のすべてがこれと決めつけてはいけないのだが、密に関わった二組があんなんだったから、どうしても冷めた目で見てしまう。克服したい。